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痴人の愛

監督: 増村保造

1967


★★★☆ぴったりの題材

なんでもないときでさえ必要以上の猛スピードで、狭苦しい田舎道を突進する自動車のすばらしいショットが、この映画では何度か繰り返されるのだが、それは作品の完璧な一部であると同時に、密閉→圧縮→加速という増村作品すべての基調を象徴してもいる。
けれどもその矢印が「→内攻」に向かわず、滑稽なまでに狂信的なアクションとして解き放たれるところが、一種のすがすがしさ、癖になる面白さなんだよなあ。
主人公を悩ますニンファに、キツネ目の大楠道代。いつも女優の、千載一遇の魅力をとらえているこの監督の演出力に、脱帽。しかし、いったいどこが、第二の山元富士子と言われたのか、理解に苦しむ。
山本直純の「現代音楽」がなにやら深刻な、オープニングも秀逸。


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