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| 日本映画(監督別) |
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| りゃんこの弥太郎 監督: マキノ雅弘 1955年 原作: 子母沢寛 ★★★☆ 江戸時代の絹織物産地、桐生、足利における機織り女工たちの労働問題に対する、マキノ流の回答、といえないこともない、社会派の設定を持った話なんですけど、旅人の小泉博とテキ屋の河津清三郎が、非情に奇妙な状況で事件に絡んで、巧妙なイカサマのような感じで問題をとりあえず解決するという、よく考えるとわけのわからない話。 詳しい方によると、本作の一筋縄ではいかない印象は、脚本の八木保太郎のクセの強さに引っ張られている部分が大きいのだそうで、なるほど、同じく八木脚本のマキノ監督作(半分しか監督してないそうだが)、『赤城の血祭』(1955)からも同様の軟体話法的印象を受けました。 桐生で人入れ(女工斡旋)をしている親分が、じつは裏で宿場女郎の斡旋もしているあくどい親分で、そこに近隣の足利が、よい条件で雇用をするので、女たちが年期の切り替えに合わせて、みんな足利に行こうとする。 かっこいいというより、のらりくらりの運任せみたいなこのコンビ、飄々として、妙に口跡のきれいな(元NHKアナウンサー)小泉博と、アクの強い河津清三郎のかけあいが不思議な味わいを醸して、これにすっとこどっこいのやくざの子分とか、好色な代官の田中春男(笑)とか、やたら元気のいいテキ屋の女の子(藤間紫)とか、歌ばかり歌うホモの按摩二人組とか、ヘンな人たちばかりがからんでくる。 盆踊りの晩に、踊りながらの大脱走、ってのがマキノらしいけど、そんなにスペクタクルも形成せず、最後までつかみどころのない作品でした。 * じつは家人の実家が足利で、家人の祖母は機織りをしていたそうなのだけれど、その頃は腕に職のある女たちがたんまり儲けて、旦那を遊ばせるくらいに裕福になっていたという話を聞いていたので、ああ、こういう前史があったのかと、その点でもおもしろく観ました。 (2008/02/24 東京国立近代美術館フィルムセンター 生誕百年 映画監督 マキノ雅弘(2) 2008/04/22記)
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