|
|
|
| 日本映画(監督別) |
|
|
|
|
| 忠臣蔵 [天の巻・地の巻 総集篇] 監督: マキノ正博 [天の巻], 池田富保 [地の巻] 1938年 製作: 日活(東京撮影所 [天の巻], 京都撮影所[地の巻]) ★★★ マキノ省三没後十周年記念企画として製作された大作。 主な配役は、阪東妻三郎(大石内蔵助)、片岡千恵蔵(浅野内匠頭、立花左近)、嵐寛寿郎(脇坂淡路守、清水一角)、月形龍之介(原惣右衛門、小林平八郎)、山本嘉一(吉良上野介)、瑤泉院(星玲子)と二役が多いので、知らずに観ていると、えっ、さっき別の役で出ていなかったっけ? と驚きました。 現存しているのは短縮された総集篇で、いくつかのエピソードをまるごと省略する編集であり、とくにマキノが監督した「天の巻」は、大筋にかかわる部分だけが残されていて、非常に味気ない。 続いて地の巻。 立花左近を騙った内蔵之助に、本物の立花左近が認可状を見せろと詰め寄ると、内蔵之助が差し出した認可状は、なんと白紙。そこに長唄勧進帳が流れる。 こんな独創的な名場面、いったい誰のアイディアなんだと思って帰宅後に調べると、これが牧野省三のオリジナルなんだそうですね。 瑤泉院の腰元の一人に紛れ込んだ吉良方の女間者(橘昇子)の影が障子に映るサスペンスだとか、そば屋の二階で待機をしている四十七士と、女間者が捉えられるエピソードがクロスカッテイングされて、女間者が持っていた連判状が床に転がって広がり、志士の名前がズラッと連なったところで、一気に蜂起のシーンにつながる呼吸にも興奮させられて、なかなか見どころのある演出です。 討ち入りの場面で、四十七士の一人が見得を切るところが大写しになって、手にした槍に萱野三平重實という名札がぶら下がっているので、役名がわかるんですが、この尾上菊太郎という役者、調べてみると、げえっ、若き日の十三世仁左衛門ではないですか! びっくりしたなあ。 マキノ映画としては、マキノらしさがほとんど感じられない(カットされているのか?)つまらない作品ですが、数ある忠臣蔵映画のなかでは、もし全篇が残っていたら決定版の一つになったのだろう立派な作品でした。
|