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アダルトビデオの作り方

監督: 城定秀夫 

2008年

  

原作: 山本直樹「アダルトビデオの作り方」(単行本「守ってあげたい」収録)
脚本: 高木裕治, 城定秀夫
撮影: 田宮健彦
編集: 城定秀夫
主演: 若菜ひかる, 岡田智宏, 吉岡睦雄, 利倉徹治, みずと良, 金野学武


★★★原作通り、なのにすっかり城定作品

山本直樹のコミック「アダルトビデオの作り方」を、ほとんどアレンジなしに映像化した作品。セリフも原作のネームを、最大限に利用している。

口八丁手八丁の吉岡睦雄にほだされて、高校時代の親友、岡田智宏と若菜ひかるが、お手製のアダルトビデオ製作に乗り出して一儲けを目論む、という話。
登場人物の唐突な行動が物語を飛躍させる山本直樹作品のコマの余白を、心憎いほどに読み込んだ、細部の演出のうまさが際だっています。
冒頭に置かれた短い高校時代の回想シーンとか、漫画家役の岡田智宏がストレス解消のためにやってるバットの素振りとか、独自に付け加えられたシーンも、まったくよけいに感じられません。原作通りなのに、どこもかしこも城定作品になっている。

吉岡睦雄の役は原作のイメージ通り、なんですが、『隣人ポータビリティ』に続いて登場の若菜ひかるの役は、人間を(特に女性を)ことさらモノのように扱ってみせる山本作品に対して、いかにも甘酸っぱい、高校時代の同級生の成熟したその後のリアリティが付加されているのだし、物語の語り手である岡田智宏の内向性が、淫靡な欲情をさらに掻き立てる。
幼なじみを女優に仕立てたからみシーンの、ドキドキ感がすごい。

これであと、90年代の風俗がちゃんと織り込まれる余裕があれば、最高だと思います(吉岡睦雄がかけている細い眼鏡は最近のものだし、撮影機材にも疑問あり)。
漫画だとすんなり受け止められたオチは、どうなのかな。岡田・若菜のふたりのキャラクターがリアルなだけに、あれでいいと済まされない気持ちが残るのだけれど……なんて不満は、次作『アダルトビデオができるまで』を観ると解消するのです。


(2008/06/02記)


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