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19 NINETEEN 女子大生殺人レポート

監督: 城定秀夫 

2005年

脚本: 高田亮, 城定秀夫, 大滝由有子
撮影: 長谷川卓也
音楽: タルイタカヨシ
編集: 城定秀夫
出演: 高井景子, 宮路ナオミ, 勝見俊守, 吉岡睦雄, 中村英児, 野上正義


★★☆前半が傑出してます

チンピラ(勝見俊守)にレイプされて食い物にされているのだが、暴力とセックスでマインドコントロールされて、彼の支配下から抜け出せないヒロイン(高井景子)が、同じく彼に騙されそうになった女子大生(宮路ナオミ)と手を組んで、男の殺害を企てる……。
最近(2008年5、6月)テレビで報道されている猟奇事件の容疑者の、死体をバラバラにしてトイレに流した、という供述そっくりの状況が展開されます。

いかにも男に騙されやすそうなヒロインの、生きることに疲れ切った様子やら、金ヅルの彼女を捕まえて離さない最低のヒモ男の生態やら、普通の女子大生の普通の言動やらがリアルで生々しい。
彼女らの絶望感の深さがたっぷりと描かれているので、不意にそれが反転して、残酷な計画殺人にいたる飛躍に無理がなくて、とても痛快です。
おどおどした女の子ふたりの殺人場面とか、遊び半分のような死体解体とか、演技経験の浅い俳優が演じているゆえのブレッソン的ドキドキ感があって、『OUT』(2002)なんかよりはるかに面白いんです。

ヒロインが常用する精神安定剤が、二人の女子大生を結びつけるちょっとした小道具になったり、心理学の教師(野上正義)が授業で言及する「学習性絶望感」の話がヒロインの状況とリンクしていたり、動物(カメ)がヒロインの歪んだ心を映しだしたり、いつもながらの小技の効いた演出もみごと。

しかし後半、彼女らがやくざ(吉岡睦雄、中村英児)に追われる展開になってからは、コメディ・タッチに一変してしまう。
レギュラー俳優でやくざの役を間に合わせなければならなかったんでしょうが、吉岡睦雄と中村英児のコミカルで間抜けなやくざがぜんぜん恐くないし、組織力を振りかざすわりには二人きりしか出てこなくて、テンションが落ちちゃうんですよね。
組の事務所とのやりとりのシーンなんかがあれば、と思うのだけれど、予算の問題なのでしょう。

さらに言えば、冒頭の精神安定剤のアップで、胃腸薬の薬品名が映ってしまったり、ヒロインがピルケースに移した薬を見ただけで、なぜか宮路ナオミが精神安定剤だと見破ってしまったりなんていう、珍しくあれっと思うミスもあります。
ラストの解決も安易だし、歌の導入もちょっとむりやり気味だし、後半の失速が残念に思えた作品でした。


(DVD鑑賞 2008/06/02記)


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