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| やくざ刑罰史 私刑(リンチ) 監督: 石井輝男 1969年 企画: 岡田茂, 天尾完次
★★★★ オランダの "Japan
Shock" からのリリース(Region ALL/PAL)。例によって外箱(上画像左)入り。画質は、まずまずというべき。 2005年8月12日に逝去した石井監督は、81歳というご高齢を考えると大往生といってもいいのだが、2年ほど前の上映会会場ですこしお話しした際も、60代の働き盛りかと普通に思ってしまうピシリとした話しぶりや身のこなしに接して、「(『盲獣vs一寸法師』の)次回作も期待してます」という言葉を、自分に限らず誰もがお世辞でなく口にしていたのだった。ご冥福をお祈りします。 丸焼きにされたり、生きたまま砂に埋められたり、自動車に引きずられたり、ドリルで手に穴をあけられたり、焼きごてを当てられたり、タイトルバックからして残酷拷問シーンの連続なのだが、ここでタイトルの「刑罰史」というモンド的体裁を見せておくだけで、いつもどおり本編とはまったく関係なし。贅沢だなあ。 【江戸篇】は、「盗みをするな」「間男するな」という渡世人の掟をめぐる時代劇。 密度の濃い話を、30分ほどに納めているわけだから、説明は登場人物のモノローグにまかせて話をすっ飛ばすのだけれど、それでもぎこちなさを感じさせない手腕はさすがというしかない。菅原文太が大友柳太朗との会話の最中に黙り込んだかと思うと、女とのこれまでのいきさつを丸ごと回想してしまうのは、作劇としてはメチャクチャなのだけれど、それさえ作品のテンポを崩さない。 【明治篇】は、「親分並び一家に迷惑を及ぼしたる者は所払いに処することあり。所払いを受けし者がふたたび士地に戻りたる時は、理由の如何にかかわらず、白刃を以て制裁を加えるものなり」という、やくざの家憲をめぐる話。 検索をしていると、まぜるなきけんというサイトの博識な筆者が、本作のロケ地巡り(2005/8/10、17、20日付分)をされてるのを見つけた。すごいですね。尊敬します。 【昭和篇】は、「組の組織を破壊、秘密を漏洩せる者は理由の如何にかかわらずこれを抹殺する」という暴力団の掟をめぐる話、というか、掟なんてあってなきがごとしの、騙し合い、殺し合いのストーリー。 この大混乱の最中に、高英男がライフルで遠方のガスタンクを狙い撃ちして意味もなく大爆発させたり、ヘリコプターから吊り下げられていたぶられる男を見つめる藤木、高、吉田の表情が、めまぐるしくカットバックされるたびに笑っていたり、驚いていたり、悔しがっているようだったり、だれがどうなっているのやらわけがわからない
(それでもアクションは、ちゃんと流れている)。 まるで新東宝時代がよみがえったかのような、吉田輝雄のややコミカルなヒーローぶりも楽しいし、港やら、別荘やら、カジノやら、倉庫やらと、おなじみの舞台が惜しげなく登場するし、シャレや笑いを含みながらの、あれやこれやの趣向を凝らしたバイオレンスの数々もたっぷりと見物できる。 マカロニウェスタンふうの決闘で、すべての確執がきれいさっぱり掃除されるラストの爽快感もすばらしい。 さて、jmdb、goo映画、allcinema ONLINE 等の各データでは、「脚本……掛札昌裕」「音楽……八木正生」となっているが、本編クレジットは上記の通り。jmdb
では以前も『花と嵐とギャング』のデータで「石井輝男映画魂」記載のデータと同じ間違いをしているのを見つけたのだが、今回も「石井輝男映画魂」と同じ間違いをしている。ひょっとしてデータミスのおおもとは、「石井輝男映画魂」なのではないか、と思った。 【付録】 高英男が片山由美子の衣服をむしりながら(?)、嬉しそうにいたぶってるけど、片山の顔が見えないのは残念。もしかして吹き替えなのか。
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