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| 超能力者 未知への旅人 監督: 佐藤純彌 1994年 企画: 岡田裕介 ★★★ 映画の後半、三浦友和演じる高塚光氏が政府の要人の治療をするというシチュエーションを迎えたとき、突如として頭のなかに、深々と椅子に腰掛けたその要人が大滝秀治だったというイメージが湧いたのだけれど、実際にその通りの画面が現れたっていうのは、やっぱり超能力が促進されたせいなのかな、と。 高塚光のことが東映で映画化されたのは、彼が元社員であった東急エイジェンシーが東京急行電鉄の系列会社であり、同社が東映の設立に関わっていたからではないかと推測されます。 つまり本作は、観客が既に知っていることを、どれだけ扇動的に描くか、という、「東スポ」精神の映画なのであって、今見ても面白いのは、その「東スポ」的に演出された部分なのです。 ことにフランキー堺が、高塚が務める広告代理店の得意先のなんとか電鉄の会長役から、突然「地」に戻って、俳優のフランキー堺ですと自己紹介した上で、自身が体験した高塚光の「治療」を絶賛し、もう一仕事やる元気が出てきたと画面に向かって語るメタフィクション的な趣向は圧巻です。 あの手この手の趣向で目くらましをかました結果、主人公は「もう迷わない」と自分の決意を妻(原田美枝子)に告げるのだけれど、それが何だったのかがうやむやにされて、彼の存在が地球規模のアセンションでも起こしかねない予感のうちに幕を閉じるのが、この映画のニクいところ。 身も蓋もないことを描いて儲けた時代のことも、商売を前にすればなんのそので、東映という会社の、なんでもありな時流のつかみ方は、それなりに冴えていたとしかいいようがありません。 (2007/9/20 シネマヴェーラ渋谷「妄執、異形の人々II」)
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