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すけばん刑事 ダーティ・マリー

監督: 長谷部安春 

1974年

脚本: 長谷部安春
撮影: 森勝
音楽: 奥沢散策
美術: 菊川芳江
助監督: 中川好久
出演: 梢ひとみ, 坂本長利, 宮下順子, 山科ゆり, 河原崎次郎, 高橋明, 長弘, 浜口竜哉


★★☆愛すべき潔さ

タイトルから容易に推測できるように、『ダーティハリー』の女性版アクションを狙った企画。ポスターにも成人指定の表示はなく、日活ロマンポルノ作品でありながら一般公開映画だったようで、実際にほとんど濡れ場らしい濡れ場のない異色作です。

長谷部安春の映画は、粗暴に思えるスレスレを狙った豪快さが快感を呼ぶのだけれど、監督・脚本をこなした本作は、あまりにも雑に作られていて、えっ、なんでそうなるねんと、80分ほどの短い上映時間中に、10回以上はカクンとなること必至。
犯人とは無関係な男が、望遠レンズ付きのカメラを持ってるのを遠くから見て、「(犯人がが持ってた)あのカメラよ」と、ヒロインのマリーがわかってしまったり。女子大生がなぜだか拳銃を入手していたり。電話の逆探知が異常に迅速だったり。
しかし、ま、いちいち細かいこと気にせずに、ブンブンとストーリーを進めていく、この監督のバンカラな兄貴っぽさが、よくでた映画です。主人公が女であるにもかかわらず。

悪人を尾行しながら、ハンバーガーにかぶりつき、溢れそうなのを二本指でグイッと口蓋に押し込む、梢ひとみのマリー。
恨みがましい上目遣いでも、あごをしゃくって相手を見下すでもなく、植物的に無感情に、ただ悪事の進行を決定的な瞬間まで傍観する、立ち姿が素敵です。
ダーティハリーのショボいパクリだ、なんて思われることには一切無頓着に、マリーの存在感だけガッシリ掴んでりゃいいだろう、という男気が感じられます。

倉庫の中に逃げ込んだ犯人を、カンで追跡するマリーを手持ちカメラで追いかけるところとか、公衆電話から逃げ出した犯人が、やくざからボコボコにされるまったく不条理な展開とか、かなりゾクゾクするんですが……。

しかし、ラスト。
マリーと犯人の銃撃戦で、弾切れになった犯人が、慌てて周囲をまさぐると、たまたまそこにダイナマイトがギッシリ詰まった段ボール箱が置いてあった、なんていう展開には、この期に及んでそこまでやるかと、思わず笑ってしまいました。
その場で爆発シーンを撮影できるような予算の映画じゃないよな、と思いながら見ていると、ちょいとひねりを加えて、ちゃんとドッカーン。
間髪入れず飛び出してくる、特大の「THE END」。
参ったな、この潔さ。 (ビデオ鑑賞 2007/7/27記)


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