★★★
行けるとこまで行ってしまえば
日活買い取り作品。DVDは米盤リージョン1。
『処女のはらわた』に続く、日本初のスプラッタ・シリーズ第二弾は、前作よりもさらにエスカレートしたモンスター・ホラー。
世の中の裏と表の、デリケートな対比から始まった前作に対して、本作はのっけから、徹底的な「悪」の姿を描く。
若い娘をたらし込んでは、レイプしながら薬物漬けにして、マニラ経由でアフリカに売り飛ばしてしまう極悪やくざたち。
組の若頭(だと思う)の吉沢健が、ひとり黙々と生ホルモンをむさぼり食うところから、スプラッタ映画だとわかって観ることになる映画を語り始める感覚の冴えに、ゾクゾクします。
やくざが使う麻薬は、"エンジェルレイン" なんていうロマンチックなものだけれど、暴力描写は本気にハード。女性の扱いが即物的なので、エロっぽさなんか醒めちゃうほどです。
でも、こういう暴力や即物性は、あとで登場する強力なモンスターに対応させるための下準備なんだと、見ていくうちにだんだんわかってきます。
アメリカ映画の場合、表現がエスカレートしても、やられるのはあいかわらずバカなティーンエイジャーなんだけど、映画をリアルにするためには、やっぱり攻守のバランスって大切ですよね。
もしかするとそれは、レイティングをいかにクリアするかというところで戦わなければならないハリウッド映画と、最初から18禁のにっかつロマンポルノの違いに由来するのかもしれないけれど、ガイラ監督の(山田風太郎的な)達観した視線も、そこでは確実に機能したはず。
この時点では、資金面をべつにすれば、ハリウッド映画より日本映画のほうが、大きな可能性を持っていたのでは、なんてことを思わずにいられません。
切り刻まれたやくざのバラバラ死体と、麻薬の過剰摂取で死んだ女が合体してモンスター化するシーンは、特撮としてはアレなんで、まあ、イマジネーションでフォロー。唐突なその出現の、コメディ寸前の感覚もすばらしい。
……この先は、資金力がないとやっていけないよ、という、ギリギリの崖っぷちまで、最短の助走距離で飛翔してみせた、強力な怪作でした。
(DVD鑑賞 2008/03/23記)