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愛しい人妻 ひと夏のたわむれ

監督: 今岡信治

2000年


★★手抜きなしだった

瀬々敬久監督の一般公開映画、「DOG STAR/ドッグ★スター」を製作している、レジェンド・ピクチャーズからのOV(オリジナル・ビデオムービー)作品。
Broadwayの今岡信治 DVD BOX が手元に届くのが待ちきれないので、先に観ることにした。
タイトルの読みは「いとしいひと……」。

3歳になったばかりくらいに見える男の子を連れて、ホームレス生活を強いられている若い母親(美咲レイラ)の逼迫した状況を、ほんの数分で語ってみせる冒頭部は、じつに手際がいい。
元プレイメイト・ジャパンという肩書きがウリになっている美咲レイラの、いかにも男苦労が絶えないといった感じの、かわいらしい鈍くささを引き出している。

タイトルからして、ハイソな恋愛劇を連想するのだが、フリーターの青年(飯島壮)のボロアパート(2K・風呂なし)に転がり込んだ宿無し母子が、隣に住む風俗嬢(小宮詩乃)も巻きこんで奮闘するという、小規模な貧乏長屋もの。おそらく監督の身辺で視界に入ったのだろう人たちを、こまやかな演出とリアルなセリフで等身大に描いている。
母親がキャバクラで働いている間、いやいや子供を預かった風俗嬢が、しだいに子供に愛情を感じて……、というクサいシークエンスも、子供がいなくなってから、我慢していたタバコを深く吸い込み、次のショットでは、もうニコニコと子供に添い寝をしている。いいですね、こんなところ。

しかし、国映作品に比べて「普通」の撮り方をしていると、社会性の薄さ、というものが、どうも気になってくる。たとえば子供を連れ去ろうとした挙動不審者に向かって、主人公の青年がどなりつける「今がどういう時代かわかってんのかよ」というセリフなんて、なにを言いたいのかよくわからない。
ビデオ撮りだから、重要な役目を果たす花火の場面のニュアンスの乏しさも、しかたがないことだが残念だ。

この会社のOVシリーズからは、今岡作品もかなりリリースされ、佐藤寿保、片岡修二、瀬々敬久、国沢実といった監督の作品もラインナップされている。


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