若杉嘉津子ファンということもあって、DVDで鑑賞。
虹に取り憑かれた一族、摩耶家。
人工虹の研究をする家長の助手が別荘で殺され、家長夫人の姪、由利枝(若杉須美子)に嫌疑がかかる。由利枝の学友だった新聞記者の美々(曉照子)とその恋人の良輔(小林桂樹)は、彼女の疑いを晴らそうと奔走する。しかし、摩耶家の人々は「虹が……虹男が……」という謎の言葉を残して、次々と殺害されていくのだった。はたして虹男とは何者なのか。
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なんと「虹男」のフィギュアなんてものがありますよ (無断リンク失礼)。
http://www.geocities.jp/ishizu_kikaku/newpage156.html いちばん下
本編にはまったく出てこない、上の宣伝スチルにしか存在しないモンスターが、なんでフィギュアになるんでしょうか。
それほどあのスチルは衝撃的で、実際のところ本編以上に素晴らしいということ。
肝心の作品の中身は、かなりがっかりする内容で、海野十三あたりが書いていた、「新青年」ふうの疑似科学探偵小説みたいなもの。
神出鬼没の虹男の正体も、なにしろ冒頭に早大教授が「メスカリン幻覚考証」を行ったことがクレジットされるので、ああ、幻覚なのかというのがバレバレです。
最も初期のパートカラー映画というのも、先に発売されたLDに続いて、DVDでは失われたカラーパートが再現されているのだけれど、ただ虹の七色が画面に映る、というそれだけのものです。
しかし、見どころは豊富。
まず本作は、『怪談せむし男』でお馴染み、旧古河庭園のロケ作品であり、壁面全体にツタがからまった、現在とは違う古河邸の姿を見られます。
洋館の内部のセットや、キム・ギヨンの『下女』そっくりのベランダの作りや、鍵穴からの窃視シーンなど、雰囲気満点。
恐怖に歪んだ人物の顔をアップする怪奇シーンの演出はあまりに執拗で、ことに浦辺粂子殺害時の顔が怖い。
そして注目は、最も執拗に恐怖にさらされる美女役に、若杉須美子時代の若杉嘉津子さんがキャスティングされていること。この頃はまだ、演技はアレなんですけど、肉感的なムードが濃厚で、まったく日本人離れしています。
若き小林桂樹とコンビを組む、新聞記者の曉照子は、かの有名なコッコッコッコッコケッコー の人ですね。
作品の出来はともかく、大映特撮ものの原点はこういうおどろおどろしい「新青年」的な雰囲気のなかにあったんだなと納得できました。
(DVD鑑賞 2009/6/10記)