★★★★
大怪作!
前作『混血児リカ』が、まあそれなりに楽しめたものの、つまらない出費をしたと後悔しながら、でも買ってしまったから仕方がないと、第二作を鑑賞。
英語タイトル "RICA 2"。
なんと、劇的に面白いではないですか!
前作ではただ一点、娯楽映画としてのノー・アイディアを隠そうともせず、馬鹿みたいな脱走シーンが繰り返されたことに爆笑したのだが、本作ではあきらかに、作り手がそれを自覚しています。
アヴァンギャルドなくらい、空虚な繰り返しの連発。
リカ、立ち食いをする。
殺し屋の目が光る。
リカ、ムシャムシャと食べる。
殺し屋が迫ってくる。
リカ、ハッと気づく。
一瞬の受け身。
殺し屋、線路に落ちて電車に轢かれる。
リカ、また食べる。
別の殺し屋の目が光る。
リカ、さらに食べる。
殺し屋が迫ってくる。
リカ、ハッと気づく。
一瞬の受け身。
殺し屋、また線路に落ちて電車に轢かれる。
……とまあ、おおよそこんな感じで、腹がよじれるくらい笑った。
今回は、警察権力とつるんだ悪者と、悪者に利用される殿山泰司の任侠一家がリカの命を狙う。
フツーなら、任侠一家が改心して、途中からリカの味方になりそうなものだけど、やくざや不良にこれっぽっちの憐憫も持たないのだろう、新藤兼人は違う。
娼婦たちもみんなまとめて、マシンガンで皆殺しの大量殺戮。
悪徳警官の藤木孝なんて、鞭でしばかれて身悶えしながら死んでいく。
その、情け容赦のないキレが凄い。
やっぱり不細工なリカは、見知らぬ相手から「あなたが混血児リカね」と言われる。
どうやら「混血児リカ」が通り名になったようで、むちゃくちゃかっこわる。
そのくせ本人は、マントなんか着用して「あずみ」みたいにひるがえしております。
今回も、ピストルを持った男たちのなかに素手で飛び込んでいって勝ってしまったり、むちゃくちゃなアクション。
そんな彼女のあいかわらず下手くそな歌謡シーンとか、峰岸徹とのラブシーンとか、あまりにも堂々と見せつけられるので、もういきなりシリーズ15作目みたいな貫禄です。
笑った、笑った。
最後の最後、エンドロールに流れる主題歌が終わったあとまで笑わせてくれるのだから、どんだけ笑わせれば気が済むのだ。
中平康、第二作にして堂々たる開き直りの確信犯。
その主題歌(作詞: 新藤兼人、作曲:
ベンチャーズ、歌: 青木リカ)がまたたまらない。とくにアルツ風味の歌詞があまりにとんでもないので、採録して歌っては噛みしめているのだけれど、某所への配慮から書き写すのはやめておきますね。
さて、期待を膨らませつつ、第三作『混血児リカ
ハマぐれ子守唄』を観たのだが……。
(DVD鑑賞 2008/03/29記)
追記: 書き終わったあとで検索をしたら、自分とまったく同じ箇所を同じような文章で面白がっている方がいてとても驚きました。筆者は、中野貴雄氏ではないですか。
これは、あくまでもシンクロニシティです。よくある神秘の現象です。