[PR]今日のニュースは
「Infoseek モバイル」

モニターの中の映画館

ハリウッド映画>ミュージカル・音楽>アニーよ銃をとれ

アニーよ銃をとれ
Annie Get Your Gun

監督: ジョージ・シドニー George Sidney

1950年

製作: Richard Rodgers, Oscar Hammerstein ll(舞台版)→Arthur Freed
脚本: Herbert Fields, Dorothy Fields(舞台版)→Sidney Sheldon
撮影: Charles Rosher
音楽: Irving Berlin(舞台版)→Adolph Deutsch, Roger Edens
出演: Betty Hutton, Howard Keel, Louis Calhern, J. Carrol Naish, Edward Arnold, Keenan Wynn


★★★☆金髪鉄火の一人舞台

有名な、「ショーほど素敵な商売はない」をはじめとする楽曲が、すばらしいミュージカル。
以前観たベティ・ハットンの主演作「ポーリンの冒険」(1947)と、背景は違っても同じような筋立てなので、まるでベティ・ハットンに当て書きされたみたいな映画なのだが、もともとはジュディ・ガーランドをヒロインにした作品だったらしい。
DVDの特典映像には、精神的な疲れから早々に降板してしまったガーランドが、いくつかの場面を演じたテスト・テイクが収録されているのだが、とても柄に合いそうにない役柄を無理に演じている彼女には、ちょっとサイコな雰囲気すら漂っている。

それにしても、物語の前半、ボロボロの皮の衣装をまとった田舎者のアニー・オークリー(実在の芸人)を演じるベティ・ハットンは、強烈そのものである。
初めは山猿のようなどろだらけの女が、興行を重ねるに連れて、一皮、一皮剥けるように、女ぶりを上げていく荒唐無稽な役柄を、ここまで体現できるのは、彼女以外にありえないと感じさせるのがすごい。
バッファロー・ビル一座のガンマン(ハワード・キール)を見るなり、一目惚れしてしまった彼女の、ポカンと口を開ける演技のばかばかしさや、思わずあっけにとられる、まるで人間離れした曲撃ちシーン、あるいはお互いに惹かれあっている恋人同士が、思いっきり罵倒しあった末に、あっさりとくっついてしまう強引な結末も、まあこの人ならばありえるのではないかと、納得させられてしまう。

映画の作り自体も荒っぽいのは、土壇場の降板劇や、当初バッファロー・ビル役に予定されていた役者の急死というハプニングが影響しているのかもしれないが、インディアン蔑視にもほどがある(そのシーンのために、本作のソフト化が遅れていたらしい)土人の踊りだとか、ラストシーンを飾る、(「錨を上げて」でも盛んにやっている、どうもこの監督が大好きらしい)大群衆の整列だとかは、いかにも泥臭くて、見ていてこっ恥ずかしくなってくる。

ちなみにベティ・ハットンは、画面で見る限り「ポーリンの冒険」の頃よりもいくぶんスリムになっていて、そのぶん声も痩せている気がする。
歌というのは、身体が太くなれば、それに比例して声も力強くなるという、どうしようもない物理的な側面があって、パワフルな歌唱を持ち味にしている歌手が、歌を取るか、体型を取るかは、けっこう切実な問題だったりする。


< 目次に戻る

Google