★★★
つまらない、でも棄てがたい
ホラー映画史上名高い名作「悪魔のいけにえ」に続く作品。
ひなびたホテルを経営しているイカれたオジサンが、気にくわない客を次々と沼に放り込んで、飼いワニのエサにしてしまう顛末。
ホテル、沼、行方不明者の捜索と、ヒッチコックの「サイコ」+αを狙っていながら作品がしぼんでしまうのは、肝心のワニが予算不足のせいかパッとせず、オジサンのサイコぶりをうまく増幅しきれていない点に原因がある。前作の殺戮一家が、サドの登場人物のように強靱な精神と破壊力を備えていたのに対して、しがないサイコ・キラーのオジサンひとりでは、複数の絶体絶命が暴走するトビー・フーパーらしいクライマックスの熱狂を支えきれなかった。
しかし、今では再現不能な画面の質感をたたえた「悪魔のいけにえ」の昂揚の余韻は濃厚であるし、ウィリアム・フィンリー(「悪魔のシスター」)、ロバート・イングランド(=「エルム街」のフレディ)の怪演も楽しめる。
公開当時は、作中の時間が現実の時間とぴったり一致するという実験性が宣伝の目玉だったのだけれど、今回見直してみるとわずかにジャンプした部分もある。そのせいなのかDVDでは、どこにもそのことが触れられていない。