[PR]テレビ番組表
今夜の番組チェック

モニターの中の映画館

ハリウッド映画>ドラマ>アメリカン・ビューティ

アメリカン・ビューティ

監督: サム・メンデス

1999年


★★★かなり「見せる」

現代アメリカの家庭崩壊の悲劇を描いて話題になった作品だが、ハリウッド映画以外の映画も観ているアメリカ以外の観客にとっては、それほどショッキングな内容ではない。
ストーリーは、死んだ男の回想で描くという、一種の倒叙ミステリ形式になっている。

主人公の冴えない中年男(ケビン・スペイシー)が娘(ソーラ・バーチ)の友人(ミーナ・スバーリ)に性的妄想をいだくチアリーディングのシーンは、ケレン味たっぷりの映像で描かれるのだが、まるで製作費をかけられないからやむをえず「見せ方」でスペクタクルを作る、日本映画のようだ。
他にも、意識的にシンメトリーな構図や、赤い薔薇の花(「アメリカン・ビューティ」という品種らしい)のあからさまな象徴、オタク男が見せる意味深なビデオ映像など、邪気たっぷりの「凝った映像」が随所に見られる。
こういうことって、「オトナ」のハリウッド映画がバカにしてやらないことなのだと思っていたのだが、なんだ、やれば褒められるんだと、この映画に寄せられた賛辞を見てちょっと驚いた。

監督のサム・メンデスは、イギリス演劇畑の演出家出身者だそうで、舞台作品が先行した「リトル・ヴォイス」を演出している。
演劇臭を払拭するために、あえて映画っぽい演出を心がけているかのようなのだが、それが巧みなストーリーテリングとうまく結びついているので、かなり「見せる」映画になっている。

なんでも屋のケビン・スペイシーはともかく、アネット・ベニングが上昇志向丸出しの主婦の役を熱演、というのは、正面切った意地の悪さを感じる。


< 目次に戻る

Google