|
|
|
| ヨーロッパ映画 |
|
|
|
|
| セクシリア 監督: ペドロ・アルモドバル Pedro Almodóvar 1982年 脚本: Pedro Almodóvar ★★★ アルモドバルの劇場公開長編第2作。原題は「情熱の迷宮」。セクシリアはヒロインの名前です。 お忍びでマドリードを訪れ、ロックバンドのボーカリストになった中東ティラン国の皇太子でホモのリサ。彼が歌う「俺はテヘラン人」を聴いて、試験管ベビー研究者の娘で色情狂のセクシリアは一目惚れ。 *********************************************************************************************** 本作には、のちにスペインで有名になった若き日の文化人がたくさん出演していて、当地ではカルトムービー化しているのだそうで、日本でいえば『ビリィ・ザ・キッドの新しい夜明け』とか『俗物図鑑』とかみたいな感じなのかな。 次作の『バチ当たり修道院の最期』でテクニックを完成させたアルモドバルは、テーマ性の深化(『グロリアの憂鬱』)、大胆な挑戦(『マタドール
炎のレクイエム』)、初期衝動への回帰(『欲望の法則』)を経て、全作品中で最もウェルメイドな『神経衰弱ぎりぎりの女たち』を撮って世界的に評価される(ビリー・ワイルダーのお気に入りにもなった)のだけれど、これをハリウッド進出の足がかりにすることなくスペインにとどまり、自主製作体制のプロダクションで、メジャーではできないきわどい作品を作り続けます。 商業映画のセオリーとして、やってはならないとされていて、失敗が目に見えているアマチュアっぽい試み――映画ジャンルの混交、同性愛者と女性への信頼、善悪を裁かない結末、エピソードの過飽和、語りや時間軸の複雑化――を『アタメ
私を縛って!』、『ハイヒール』、『キカ』といった作品であえて繰り返しながら、誰も手を出せない禁じ手を使って、いまや、誰も作れない映画を作るスペシャリストになってしまったかのようです。 『セクシリア』みたいな、勢いさえあればできてしまうかもしれない作品から考えると、『私の秘密の花』以降、『ライブ・フレッシュ』、『オール・アバウト・マイ・マザー』、『トーク・トゥ・ハー』、『バッド・エデュケーション』、『ボルベール〈帰郷〉』の円熟はまさに奇跡としか思えなくて、どうやればこういうものが作れるのかさっぱりわからない、神業のような作品ばかり。 なにがあろうが起ころうが、つねにやりたいことをやり続けるのが吉よ、ってことですね、アルモドバル。 次回作 ブロークン・エンバレイシス Los abrazos rotos 壊れた抱擁
|