★★★☆
パゾリーニ流の娯楽スペクタクル
伊・仏合作。
いつもながらではあるが、三部作の中ではとりわけ時代・土地の考証を積極的に無視した汎アジア的なロケーションがおもしろい。
エキゾチックな風物と、魔術や悪魔が横行するファンタスティックな趣向、悪魔との飛行シーンや、ライオンの出現シーンに使われた、当時としてもチープな特撮など、「絵物語」の雰囲気は、たんなる見世物としても、忘れられない印象を残す。
入れ子形式の錯綜する物語ながら、少年と女奴隷の愛の「物語」が一貫しているのが、前二作とはかなり異なっている。
過酷な運命を機知と強運で乗り切って、愛する人との再会を果たす説話世界は、パゾリーニ的な語法で語りうる、もっともオプティミスティックな物語で、投げやりのような印象を与える部分もある。
翌年の遺作が「ソドムの市」なのだから、均衡はとれているというべきか。