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インビジブル

監督: ポール・バーホーベン

2000年


★★★いたって尋常だが

ネットで検索してみると、「全米が吐いた」というカゲキなキャッチコピーで宣伝されたこともあったそうで笑わせられるが、いたって尋常なつくり。

透明人間になった主人公のドクター(ケビン・ベーコン)が研究所の外で犯す犯罪は、必要最小限で、あとは大人しく戻ってきた研究所での密室劇という、狭っ苦しい展開である。
生真面目で小心な学者が、欲望に取り憑かれて狂っていくという話では、あまりに古風でスピード感がないということなのか、主人公が初めっから研究のためならどんな悪事もやりそうな、クセのある人物として描かれているんだが、そのわりにはムチャをしない。
いかにして透明人間になるか、という大問題をスッ飛ばして、すでに透明化には成功しているという設定はいいんだが、それだったらいっそ、街に透明人間がウヨウヨしていて、あちこちで悪行の限りを尽くしているという、「ゾンビ」形式で始めてしまえば、いかにもバーホーベンって気がすると思うんだが。

今回は、大好きな最新のSFXで遊ばせてもらえるんだったら、それで満足というノリだったのか、そのへんのこだわりは、人体が、表皮、脂肪、筋肉、血管、神経、骨の順で消えていく(あるいはその逆で、見えていく)というみごとなCGアニメーションに結実するわけだが、所詮アニメーションのそれは、怖いというより、ファンタスティックな見せ物になっている。

しかし、やっちゃうからには極力自分の作品にしようという意志は強力で、透明人間というコメディと紙一重のネタから笑える部分を注意深く排除してみました、という、筋を通すことは忘れていなくて、まだまだやる気、を感じてしまう。


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