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| 愛のメモリー 監督: ブライアン・デ・パルマ 1976年
★★★ デ・パルマは、嫌いな監督、というか、嫌いにならなければと決めつけている監督。 本作はイタリアロケの雰囲気がとても素敵で、古い教会で壁画を修復しているヒロイン(ジュヌヴィエーヴ・ビジョルド)の姿とか、彼女を追いかける主人公(クリフ・ロバートソン)が紛れ込む街角の風景とか、彼女が回廊で、ふとダンテを朗読するところ(ここの音楽は最高!)だとか、ミステリアスで、詩情たっぷりで、忘れがたい場面がいくつもある。 それでも好きになれないというのは、本作がヒッチコックの「めまい」という、死ぬほど好きな作品のあからさまなオマージュだからかもしれず、自分の好きなものを他人にこねくりまわされたという、一種の近親憎悪なのかもしれない。 [以下ネタバレ] つまりあのハッピーエンドは、撮影された時点では、いかにもデ・パルマらしい後味の悪い結末だったわけで、確かに主人公とヒロインが寝ることで本作のプロットは強められるのだけれど、長回しの移動撮影やグルグル回しを見せるためなら、鬼畜なことも鬼畜だと意識しない、この監督の本性がうかがえる。 いや、B級映画らしい簡素なスタイルで撮られていたら、きっと好きな映画だったのかもしれない。でもあの身代金が投げられる堤防での長回しだけは、残しておきたい。それにヒロインが主人公の妻(=彼女の母親)の歩き方を夜道で真似してみせるところなんか、すばらしかった……とかなんとかいって、またまた観てしまうのかもね。
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